ワインアドバイザー日本一のお店

Wine Cellar HASEBE 長谷部酒店

JR猿橋駅から徒歩8分。
猿橋駅と日本三大奇矯である猿橋のちょうど中間に位置する
「Wine Cellar HASEBE 長谷部酒店」に本日はお邪魔しました。

初めの印象は
さすが山梨県!県内にはワイナリーがたくさんあり
ワイン専門店として酒屋を営業しているもの納得がいく。

事前情報で
「Wine Cellar HASEBE 長谷部酒店」店主の長谷部賢さんは
ワインアドバイザー日本一の称号を持っており
他にはないワイン専門の酒屋であることは間違いない。

ただ、ワインアドバイザーのコンテストがどんな風にして
開催されるのか、どのような試験が待ち構えているのか
そもそもどうしたら日本一になれるのかがピンとこず
これは長谷部さんに詳しくお聞きするしかないと
意気込んで取材をスタートした。

お店の特徴と魅力

長谷部酒店は1905年に創業され
現店主で4代目になられるそうです。

店名の由来は元々2019年11月にリニューアルを機に
ワインセラーを導入し店名にもwinecellarの表記に変更。

店舗の特徴や魅力といえば
ソフト面でいうならば
ワインアドバイザーで日本1位になった経歴をもつ店主がいること。
何よりタイトルがお客様の安心材料にしてほしいとのことでした。

確かに、ワインと言ってもアルコール飲料の中では種類も多くわかりずらい部類に入る。
数知れずあるワインの中でもお客様との会話を通してセレクトできるのがワインアドバイザーの最大の強みになっているのであろう。

まずは相談のしやすい環境であり
ワインだからといって高いものだけではなく低価格の商品も扱っているおり、敷居は低くを意識しているようでした。

ハード面で言うならば
2019年の店舗リニューアル時に店内飲食をできるスペースができるよう改築。
一言のワインと言っても一緒に食べるものから、それぞれのワインにあったグラスなどさまざまな嗜好の仕方がある。

「Wine Cellar HASEBE 長谷部酒店」では
お買い上げ頂いたワインにあったグラスを使ってその場(店内)でお飲みいただける。
もちろん余ればそのままお持ち帰りいただける。
そして地域の飲食店からケータリングができるのでおしゃれにちょっとした会なども開催することができるのです。

角打ちを令和版にした感じと店主の長谷部さんがわかりやすく説明してくれました。

角打ちとは…
お酒を販売する「酒屋で酒を立ち呑みする」という意味で使われるようになったのです。 「角打ち」とはあくまで酒を販売する酒屋の中で立ち呑みを行うこと。

ワインアドバイザーの資格取得となるきっかけ

お酒は酒屋で買うという制限がかかっていたので
売り上げのほとんどがビール。

2001年に酒屋の免許制度が自由化になって
ビールが他店(スーパーやコンビニ)で安く売られたらお店が潰れてしまうと
自由化に対する不安があったそうです。

そこで他との差別化をしたかったので
1996年10月にワイナリーにいったのでした。
そこで同世代の4人でワイナリーめぐり、農園、醸造の見学をした。

その時間何を言ってるのか全然わからなかった。
他の人がメルローがすごいといっていて当時は何がなんだかわからなかった。
とにかく何もかも意味がわからない状態だった。

最後にそこのオーナーから
衝撃の一言が「山梨の酒屋さんは意識が低い」と言われ
カチンときたと同時に何も言い返せない悔しさから半べそをかいたそうです。

その日帰ってきて
お酒の雑誌をみてワインスクールに片っ端から電話をし
翌年の97年からワインスクール週2回通うことにした。(この時30歳)
スクールも若い世代が多く急がないとまずいと言う焦りが襲う。

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ここで
取材の途中でお客様が来店。
予算や送りたい人がどんなひとか聞き、ワインを選ぶ。

ワインの説明、その様子を聞いていて
大切な人にものを送る際
長谷部さんにいくと
最高のアドバイスをしてくれる。

何より言葉のチョイスが豊富で
どんな味なのか、どんな雰囲気に合うのか
あたかも今テイスティングしているかのような感覚に陥る。
何よりも知識が豊富で安心できる情報を提供してくれる。
その人、その時、その状況にあった
最高のワインを提案してくれる。

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壮絶すぎる日本一までの道のり

当時、ワインの資格が3つ別れていた。
飲食だったら ソムリエ
流通業や学校なら ワインアドバイザー
一般の人なら ワインエキスパート

スクールに通い資格取得を目指している最中
ワインアドバイザー選手権大会を知り、
出ればいいじゃんと声をかけられる。
資格取得の目標から大会に出たいが目標となり
資格の取得が必須条件になった。

97年にワインアドバイザーの資格を無事取得。
2年に一度コンクールがあり、次のワインアドバイザーのコンクールが99年にあった。
予選の段階で何がなんだかわからなかった。
筆記、テイスティングの2回の予選があって
なんとか予選をクリアした。

予選を勝ち上がった12人に選ばれ全国大会に出場。
1999年の大会は札幌で、みんな優勝するつもりできてるのに
初めての大会に浮き足立ち観光気分できてしまった。

予選突破の12人から5人が決勝に出場、
筆記試験、テイスティングが会場で行われる。
ここの自己採点で100点満点で10点くらい。
決勝まで上がれれば3種類のワイン、全ての情報を制限時間内に答えていく
1回目はズタボロで決勝にも行けず、帰ってくる。
この時次回は決勝にいきたいと思い意思を固める。

2001年
なんと2回目の出場で準優勝。

2003年
前大会の準優勝であったので下馬評が長谷部さんになった
しかし予選は通過したものの、決勝にはいけなかった。

2005年
決勝に進出するも3位以内に入れず。

2007年
またしても準優勝。
ここでエキスパートの大会も追加され3年毎大会へと変更になる。

2010年
予選通過、決勝に行けず。

2013年
優勝

苦節14年7大会に出場しようやく日本一の称号を手に入れたのでした。
14年も大会に出続けた理由をお聞きすると

『優秀な人の中に自分も居たいと思った』そうで
何より優勝(日本一)すると
絶対的優位とお客様への安心感をどうしても作りたかった。

いいものを提供していきたい気持ちと
薄利多売で安く売るような価格の土俵で勝負はしたくなかった。
今では口コミで広がっている。
酒屋のタガを超えた楽しいと思う仕事に近づいてきている。

仕事している感覚ではなく、好きなものをおすすめしているだけ。
来店のお客様の8割9割がおすすめくださいと言う。
それはその人にマッチするかわからない。

例えば、甘さ一つでも人によって感覚が違う。
話の中で引き出していくので
アドバイザーのお酒を選ぶとハズレはなく提案できる。

ワインアドバイザー取得までの道のりを聞き
信頼と実績の「Wine Cellar HASEBE 長谷部酒店」を思い知らされた。

ワインアドバイザー優勝からその後

2002年初めて準優勝した後に
ワインを中心にしたお店にしていこうと思った。

なんと当時は赤・白・ロゼくらいしかお店に置いていなかったという。
大会にでた人達情報をいいとこどりして自分のやりやすいように
情報を取りにいくのにがむしゃらになっていた。

そこでワインの小講座を始める。
ワインファンを作る取り組みとして今でも続けている。
そのグループでカリフォルニアなどにワイナリーツアーに行ったりもした。

そして優勝から6年、
店内でセミナーができるように、前のお店の時から思考錯誤をしており
お店のリニューアルをすることに。

内装はシンメトリーになっていて
どこでも飲めるようにフラットになっている。

ネクストステージ

明確に見えている。
50代に入り、地元に還元したいと思いが強くなってきた。
どうやっていくか… ワインの情報を出すか…
地元の飲食店にワインと合わせてマリアージュしていきたい。
だが地元の飲食店とは今はまだ距離がある。

知識を渡すだけではなく
大月にある飲食店がワインを通じて大月を魅力的な街にしていきたい。

そこで
大月ローカルガストロノミー(OLG)を発足させ現在活動中。

地産地消をメインに田舎は人口が減少してくが
地方の飲食店は、顧客の中心が地元客なので、このままでは近い将来飲食店経営はとても厳しい状況になってしまう。

だから、市外からも県外からもわざわざ食べにくる飲食文化の高い街をめざしたい。

山梨県の食材を使って
最終的には作っているワインと合わせていくことを活動内容としている。

最初はジビエ。
ジビエの新メニューを作ってレシピを公開し
その料理にあうワインをマッチする取り組みをしている。

今すぐではなくても県外から来てもらう仕組みを作っていこうとしており
近いうちに山梨県大月市の食文化を高め
大月からミシュランの星をとるお店を作りたい。

大月のいいところとこれからの期待

やはり大月といえば自然が豊か。
都心に近くてこれだけ自然が豊か。
東京にも通勤ですぐいける。

都心から100キロ県内で、くまが出る街はそうそうない。
それほど田舎で自然が豊富なことが理解できるでしょう。
自然が豊か = オンとオフがわかりやすく体感できる。
最初は週末だけでも来てもらいたい。

旅行の一番の目的は今は美味しいものを食べることであり
美味しいものを食べれない街はいきたくならないと思うので
大月はご飯やお酒が美味しい街にしていきたいそうです。

これからの大月は美味しいご飯の食べられる街として進化していくのでしょう。


Wine Cellar HASEBE 長谷部酒店
所在地 山梨県大月市猿橋町猿橋200
電話番号 0554-22-0548
営業時間 9:30 ~ 20:00
定休日 毎週木曜 第3日曜
サイトURL https://twitter.com/HasebeWine

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